映画感想 天城越え

天城越えと言ったらさゆりママ!と答えたくなりますよね。

さゆりママと言う呼び名は「ウィスキーが〜」を聴いてから個人的にそう呼ぶようになりました。

まぁ、なんといっても天城越えと聞けばあの名曲を思い出してしまいますが、今回は映画の天城越えです。


ストーリー

家出中の少年は旅路の途中で美しい女と出会うがすぐに別れ、家出を断念し家路に着いた。

翌日近所で男の死体が上がり、あの美しい女は犯人として逮捕されるが自分は殺していないの一点張り。しかしとうとう女は問答無用で刑務所へ送られてしまった。

果たして真相はいかに。。


前回の砂の器と同じ原作者の作品でございます。

タイトルで惹かれてどんなもんかと思いきや、映像は美しいんだけど後味悪いお話でしたね。


登場人物達には同情せざるをえないって感じでした。

特に犯人として警察から悲惨な扱いを受けた女が「人でなし」と警察に言い放ったシーンは鳥肌もの。

ゾクっときました。女優さんの名演が光ってましたね。

それにしても、人を裁くって難しいよなぁ。この時代って今よりも犯人を捕まえにくいから確証無くてもとりあえず捕まえるしかないのかもなぁ。なんて思ったり。


前半部は甘酸っぱい恋物語のはずだったのに、後半部はどんどん別の意味で苦しい作品になっていきました。

女が刑務所へ行く覚悟を決めた矢先に少年と再会するシーンはとても悲しい。

もう女には同情しかないのだが、私なんぞに同情されても腹立たしいばかりであろう。


あの時代にああして生まれると、今には無い生き方があるのだな、と考えさせられた。

あの美しい女は、作品の中で誰よりも悲しく誰よりも優しい人だったんでしょうね。


天城越えでの出会いを私は素敵な出会いとは言い難いなぁとは思うのだが、少年の淡い恋心や女の優しさを考えると美しい瞬間ではあったのだろうと思う。


抗えないものを宿命と言えば良いのかな。

作品を観てるか限りだと、あの美しい女の人生には抗えない何かが最初からあったような気がします。


数年前に天城越えを観てたら今とは違った感想だったかもなぁ。

内容を忘れた頃にまた観たいお話でした。

映画感想文 砂の器

映画 砂の器を観ました。

ストーリー

時は昭和、都内某所で起こった殺人事件の解決をまかされた刑事二人はあらゆる方面から犯人逮捕に至るまで捜査を行った。

徐々に明るみになっていく真相は、犯人の悲しい少年時代が原因であった。


久しぶりに映画で泣いてしまったよ。

隣りにいた母から盛大なネタバレを貰いつつの映画鑑賞ではあったが


話の筋は知っていても

ネタバレをされていても


泣いてしまうのは

ストーリーのみならずキャスト並びに音楽、演出が素晴らしかったからだと思う。


特に犯人の少年時代を演じた子役が印象的でした。

あの迫力ある睨みをあの年でできるなんてすごいよ。

他には何の作品に出てるんだろう?と調べてみたものの、はだしのゲンを最後に俳優業を辞めてしまったみたいです。残念。


砂の器は名作だから1度観ろ、読め!と家族から長い事言われ続け

やっとこさ映画を観たのですが。。

うん、どうして早く観なかったのだろうか。。と反省してしまいました。


戦後の平成の世しか知らない私にとっては、あまりにも悲しい現実で、当時の差別をされた人達になんとも言いようのない想いを馳せたりしました。

どんな世になっても差別はなくなりませんものね。

辛い時代を精一杯生き続けた人達にかけれる言葉を私は持ってませんし、自分がその時代どう生きていただろうか?と考えても答えは出ない。


特に少年が線路を走るシーンなんか号泣してしまった。

登場人物達も少年をどうにか救ってあげたいけど、もう誰も彼を救えなかったんだよね。


そこでこの映画を観て思ったのは、やっぱり人生には運、不運ってもんがあるんだと思う。

大変な時代の中でも運の良い人ってのはいるから。

だからどうしたってわけではないが、平等な事ってやっぱり少ないんだろうよ。


まぁでも時々、やっぱり人生って平等なのかもねと思う時もあるけど。

その人の人生における波が激しく一度、二度やってくるのか、そうでなく緩やかだが何度も小さい波が押し寄せてくるだけなのか。

まぁ少なからず大変な時というのは誰にでもあるのでしょう。


個人的に数年後に観直したい映画の一つでした。